西の大陸の北方に位置する、空の帝国がある。絶界雲上域に位置しているかの帝国は、古代から復刻し発達させた機械文明を持ち、栄華を誇っているという。
　インペリアルと呼ばれる彼らは、かの帝国の騎士、あるいはその技を受け継ぐ者たちである。彼らは騎士でありながらにして、守よりもむしろ攻に重きを置く点が一般的な聖騎士とは決定的に異なる。
　彼らの使う特徴的な武器は砲剣と呼ばれる。見た目には鍔元や峰に大掛かりな機械仕掛けが施された大剣であるそれらは、錬金術に類似する原理の術式を圧縮したカートリッジを挿入・発動する事で、尋常の剣術を遥かに上回る強烈な一撃を叩き込む事を可能とした武器である。この圧倒的な攻撃力の武器をもって外敵を討ち倒せる事が、帝国の精強さの源泉だとも言われる。
　しかし、砲剣にはカートリッジをドライブさせた際にオーバーヒートしてしまうという欠点もあり、この点は未だ完全には克服されていない。
　剣術、そして騎士道精神を持つ事を前提として、一度発動させるとしばらくの間は冷却が必要となるという砲剣の欠点を踏まえ、攻勢に出る機を見計らうことのできる者こそが優秀な帝国騎士なのである。